技能検定【前期】受検申請受付が始まります /新企画連載:随想 鬼平犯科帳[第8回]

*2023年3月30日(木)

近頃は日中汗ばむくらいのぽかぽか陽気の日も増えてきました
躍動的な季節に向けて、ますますご多忙のことと存じます。

本日は、

  • 技能検定【前期】受検申請受付開始のご案内
  • 石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「鬼平犯科帳随想」
    第8話

ぜひ最後までお読みください。

技能検定【前期】受検申請受付が始まります

技能検定【前期】試験の受検申請受付が始まります。

申請期限は2023年4月3日(月)~2023年4月14日(金)となっています。

下記フローチャートをご参照の上、忘れずにお手続きください。

技能検定受検の手続き

1)受験案内書の入手
    各都道府県 職業能力開発協会の窓口で配布しています。
2)受験申請
    4月3日(月)~4月14日(金)各都道府県職業能力開発協会窓口で受付。

    ★3級機械保全
    • インターネット申請…4月3日(月)10:00~4月21日(金)18:00
    • 郵送申請…4月3日(金)~4月14日(金)消印有効

    ※郵送申請とインターネット申請では、申請期間が異なりますのでご注意ください! 
    その後、受験資格審査あり。

    ※JTEX学科免除コースを修了されている場合、申請時に当センター発行の【修了証書】を必ず添付してください。

3)実技試験問題の公開
  • 5月30日(火)に各都道府県職業能力開発協会より実技試験問題の公開
  • ★3級機械保全(機械系保全作業)…公開中  ※出題例として常時公開中
  • ★3級機械保全(電気系保全作業)…5月10日(水)に公開
  • 日本プラントメンテナンス協会 」ホームページをご覧ください

4) 実技試験実施日
    3級…6月6日(火)~8月13日(日)に実施予定

  • ★3級機械保全科(機械系保全作業)…6月25日(日)
    ※学科試験(午前)実技試験(午後)
  • ★3級機械保全科(電気系保全作業)…6月10日(土)~7月16日(日)
    ※原則土日に実施
  • 1級および2級…6月6日(火)~9月10日(日)に実施予定
    ※3級金属熱力含む
  • ※詳しくは各職能協より配布される受験案内書をご参照ください。

5)合格発表
  • 3級…8月25日(金)
    ★3級機械保全科…8月18日(金)日本プラントメンテナンスHP
  • 1級および2級…9月29日(金)
  • ※各職能協より後日、試験合格者に合格証書が交付されます。

◆ご注意ください◆
上記1~5に関して、誤りがあった場合でも当センターでは責任を負いかねます。
申請方法等については、各運営団体へお問い合わせください。

JTEX 技能検定学科試験免除コースのご案内

JTEXが行う「認定職業訓練」は職業能力開発促進法第24条(1・2級技能士コースの職業訓練に関する基準)に基づき認定を受けた講座によって実施され、修了者は「技能検定」の学科試験が免除となります。
貴社の現場力を高めるために、認定職業訓練を是非ご活用ください!!
  • 4月開講 電子機器組立科
  • 4月開講 機械加工科 普通旋盤作業/数値制御旋盤作業
  • 9月開講 機械検査科 機械検査作業
  • 10月開講 機械保全科 機械系保全作業/電気系保全作業




鬼平犯科帳連載について

JTEXメールマガジンでは、石岡慎太郎(JTEX理事長)による池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』をもとにした「随想 鬼平犯科帳」を1話ずつお届けします。
息抜きにご一読いただければ幸いです。

池波正太郎氏は作者は19歳のとき(昭和17年)、小平の国民勤労訓練所(戦後の中央職業訓練所)に入り、萱場製作所で2年間、四尺旋盤を使って飛行機の精密部品を作った人で、そのとき体で覚えたものつくりの手順で、『鬼平犯科帳』を書いたといいます。
このように、この小説の背景は意外に深く、皆様もこの作品から学ばれる点が多いと思います。



第8回 殿さま栄五郎

    『殿さま栄五郎』(文春文庫14巻)を読むと、鬼平は犯罪の取締りに当たっただけではなく、犯罪の予防のために「人足寄場」の設置を幕府に建言した人でもあった。以下、少し長いが、その部分を引用してみる。

    平蔵が、「近年の飢饉つづきによって、諸国から江戸へ群れあつまる無宿の者が跡を絶たぬ。なれども江戸の町は彼らのことごとくに食をあたえ、職をあたえるわけにはまいらぬ。凶年うちつづいて、これらの窮民が無頼の徒と化し、盗賊に転落する者も少なくない。よって、江戸へ入って来る無宿の者たちをあつめ、これを一箇所へ収容し、仕事をあたえ、手に職をつけさせたなら、彼らの更正と転落をふせぐことと、一石二鳥になる」と考えたのは、悪と怠惰の芽が出る前に刈り取ってしまい、別の善い芽を育むことになるからである。

    平蔵は老中・松平定信への人足寄場の建言を何度もおこなったが、幕閣ははじめ、「そのような小細工をしても、みちあふれている浮浪の徒を収容しきれるものではない」として、平蔵の建言を退けたものであった。

    「何をいうことやら」平蔵は苦笑して、「浮浪の徒と口をきいたこともなく、酒をのみ合うこともない上ッ方に何がわかろうものか。何事も小から大へひろがる。小を見捨てて大が成ろうか」

    ねばり強く建言をつづけたので、ついに松平定信が断を下し、築地の海に浮かぶ佃島に隣接した石川島の内の6,000坪の地へ、「人足寄場」を設けることとなった。

    寄場は3棟の建物と浴場などから成り、ここに収容された無宿者は約3年の間、それぞれの職業をならいおぼえ、「これなら正業につける」と、判断されるや釈放されて世間に出られる。(以下略)

    引用は以上であるが、当時の状況を補足すると、次のとおりである(重松一義著『長谷川平蔵の生涯』新人物往来社)。

    天明3年(1783年)の浅間山の大噴火は、深刻な飢饉をもたらし、江戸でも米価は3、4倍に騰貴して、餓死者、無宿人、盗賊が増加、7年5月には打ちこわしが全国で37件も発生し、江戸では軍隊である御先手組が出動したくらいであった。このため6月には、田沼意次失脚後空席であった老中首座に松平定信が座り、9月には打ちこわし鎮圧に功績があった御先手組弓頭の一人である鬼平に、火付け盗賊改の兼務を命じた。鬼平は寛政7年5月に急死するまでの8年間、記録も残っているが多くの事件を解決している。

    また鬼平は、寛政元年(1789年)の10月と12月に人足寄場設置の上申を定信に行い、翌年2月人足寄場取扱いの兼務も命ぜられた。以来、4年6月まで大変な苦労をして人足寄場を軌道に乗せたのであった。

    なお、無宿人が習う職業は、外役として川ざらえ、材木運搬、水運搬、御蔵人足など、内役として大工、左官、屋根ふき、鍛治、炭団作り、紙すき、表具、彫刻、画工、洗濯、裁縫、機織りなどがあり、実に多種多様であった。

     以上からおわかりのように、人足寄場はわが国の公共職業訓練所の始まりであったが、面白いことに池波は昭和17年、小平にあった国民勤労訓練所へ入り、2ヵ月の公共訓練を受けた。なお、この訓練所は今の職業能力開発総合大学校の前身である。




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2023年3月30日