【VOL.3】新入社員の“これから”にスパイスを…

*2021年4月16日(金)

新入社員育成でやっておきたいこと

1.業務に必要な情報や知識を教える

⇒【学んだことを定着し、新しい知識・技術を習得させる】

業務の全体像や目的を伝え、業務に取り組ませることに効果があるようです。
理由は、業務の全体像や目的が不明瞭だと、業務全体の繋がりが見えず、一つひとつの仕事が作業になってしまいがちとのことです。
また、新入社員が躓きそうなポイントや想定されるリスクは事前に伝えておくことで、本人の不安が解消され、問題が発生した場合も冷静に対応=報連相をしっかりと取らないといけないと思うようです。

2.心構えと接し方(振り返りの支援)を行う

⇒【不安や悩みを解消し、モチベーションを向上させる】

最近では、定型の業務が減り、非定型の業務が増えている傾向にあり、その結果、新入社員に任せる仕事も日々同じ業務ではなく、多岐にわたることが多くなってきました。そのような環境下、日々の経験から学び⇒学んだことをほかの業務に活用してもらうため、先輩・上司の振り返り支援が必要となります。

3.キャリアを考える機会を確保する

⇒【現状の課題を明確にし、今後の目標設定をする】
最近では「仕事人としての自身の将来を考え、今やるべきことを実行させる」ことを学ばせることが、「自社の愛着」にプラスの影響をもたらすことがわかってきたため、新入社員導入研修でも取り入られています。
つまり、早い段階で新入社員の将来に対して誠実に向き合うことが、結果的に会社への愛着心を育むことにつながります。

新入社員育成の改革はまず内側から?

新入社員は上司や先輩の行動や発言をよく見て・よく聞いています。
社内ルールの順守、挨拶、ビジネスマナー、言葉遣い、報連相など、教育責任者様の皆様は率先し模範となるべく対応されていると思います。
一方で、研修が終わり職場に配属されると、途端に悪しき事例(上司や先輩が「会社の愚痴を言う」、「行うべきではないことをする(言う)」)に新入社員が毒されてしまうケースが度々見受けられるそうです。
新入社員が、入社して数年の間に見聞きしたことは、将来に大きな影響を与えます。【見られている】という自覚をもって職場全体で新入社員育成に取り組まないといけない!と、教育責任者様の危機感をお話いただきました。
最近では、新人・若手社員のモチベーションを高める接し方と育成方法として、まずは先輩社員や上司に向けに「新入社員に対する接し方、具体的な指導方法」の研修がしたいと、お客様からリクエストがあります。

新人教育が“うまい/できていない”と見られる先輩・上司3つの違いとは?

今年の新人は何を考えているかわからない…ゆとり世代は…さとり世代は…
「せっかく採用したと思ったらすぐに辞めてしまう」と、いつの時代も、教育責任者様や上司の悩みは尽きないものです。新人が育たないのは、もしかすると教え方(育成方法)に問題があるのかもしれません。
新人に仕事を覚えてもらうためには、上司であるみなさんのちょっとした工夫が必要です。仕事の教え方一つで、新人が即戦力になるもと思えばワクワクしてきます。
【新人教育ができていなとみられる先輩・上司の特徴】
←思い当たることがあれば、イマスグ変革を!
1.つい、頭ごなしに否定していませんか?

「資料できました!」と言われて、
先輩・上司が「全然だめじゃないか!」とだけ返したとします。
これでは、新人は資料をどう修正すればいいのかわかりません。前向きに改善する気になれない=先輩・上司に対し反発心を抱いてしまいます。
「内容はいいけど、文字が多くて少し読みづらいから減らしてみたら?」と“代案” を伝えるやり方でモチベーション維持をしてみてはいかがでしょうか。仮に、否定癖があることを自覚しているなら、簡単に解決できます。
それは、その場で即答せず、一度考えるための時間をとること。新人の発言に違和感があればすぐさま否定をするのではなく、会話を終えて時間をあけてから共感しアドバイスを伝えるべきかと思います

2.このくらいわかっているだろうと、基本を省いて説明していませんか?

新人を動かすためには順番が大切です。「同じチームなんだから、目的は共有できているだろう」「いちいち説明せずとも、きっと理解してくれているはず」と思い込んでいませんか?説明不足=新人のモチベーションは下がります。
なぜそれをやるべきなのかしっかり説明し、理解させることに時間を割くと良い結果がでると思います。

3.”背中で語る”教え方という名の放置プレイになっていませんか?

仕事をしている自分の姿を見せても、伝えられるのは仕事のやり方だけ。
大切なのは、その仕事にはどういう背景があって、どんな目的でやるのかをしっかりと伝えること。できる先輩・上司こそ“言葉で語ります”。
先輩・上司として大事なことは、人を考動させること。そして、新人に目標や使命感、成長の機会、活躍の場などを与え、動かし、大きなチーム力として目標達成に導くことだと思います。部下がついてくる時代は終わりました。
上司が部下に歩み寄って共に成長していくのです。新人教育ができない人に共通するのは「自分本位」。教え方の上手な人は、相手の理解度を確認しながら進めていきます。つまり相手本位なのです。

【新人教育がうまいと見られる先輩・上司 の特徴】
1.自身の経験則を交えましょう

新人は経験がないので何も分かりません。また、自分が上手くいったやり方を新人にやらせたところで、必ずしも上手くいくとは限りません。その際は、自身の経験則を交えて説明しましょう。どうして上手くいったのか?どうして失敗したのか?経験則を加えることで、説得力が増します。そうすることで記憶に定着し、すとんと腹落ちします。素直に先輩上司の話を聞く環境を
整えてあげさえすれば、教わったことを従順にこなしていけます。
自分に置き換えて想像しやすくなると実践に役立てることも容易になります。

2.失敗の理由にきちんと向き合う

指示した作業に時間がかかった時、「いつまで仕事に時間をかけている!」と頭ごなしに注意してしまうケースがあります。怒ってばかりいては、新人の自尊心も傷つき、「失敗して怒られたらどうしよう」と萎縮してミスを隠すことにパワーを使ってしまいます。そんな時、「ありがとう!時間がかかったようだけど、何かあった?」と聞いてあげましょう。失敗したときに、新人が
素直に報告や相談をできる信頼があることが大切です。「こうした方がもっと伝わるかもな」と、新人の立場に立った目線で微調整をしてあげることが先輩・上司の役割です。

3.ステップを追って教える

「とりあえず自分でやって見て、わからなかったら聞きに来て。」と、よく言いがちなセリフです。このように、聞かれたことにだけ答えるのでは、新人はいつまでたっても成長しません。いま全体の流れの中で何をしているのかを意識しなくては、仕事の全体像を把握できないからです。
更に、ステップを踏んで教えることも大切です。「まずこれを覚えて、一人でこなせるようになってから次の工程へ進もう」という形で、一つずつ段階を追って教えましょう。
そして、「ここまでで何か分からないことはある?」と聞いてあげましょう。何ができて何ができないかを把握しやすく、教える側も楽になります。
新人もステップごとに「今日はこれができた」「これを覚えられた」と、自信をつけることができるでると思います。

3回に渡りご覧いただきありがとうございました。
貴社の新入社員育成に少しでもお役に立てれば幸いです

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2021年4月16日