エネルギー管理士(熱分野)|合格するための勉強法を詳細解説!|JTEX 職業訓練法人日本技能教育開発センター

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勉強法紹介

エネルギー管理士試験(熱分野)合格に向けた勉強法をお伝えします!

ここでは「エネルギー管理士資格を取得したいが、どのように勉強を進めればいいのかわからない」と悩まれている方向けに受験者数の多い「熱分野」に絞って、試験範囲や、合格に向けた勉強方法を解説していきたいと思います。難易度的には易しいとは言えない国家資格試験ではありますが、効率のよい学習を進めれば、独学での合格も可能な資格です。
実績のあるオリジナルテキストを使用した「JTEX通信教育」もご活用ください。

エネルギー管理士ってどんな資格なの?という方はこちらのページをご覧いただく前に
「エネルギー管理士とは」詳細はこちら をご参照ください。

目次

エネルギー管理士試験(熱分野)合格に向けて

エネルギー管理士試験 合格ライン

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エネルギー管理士試験には科目別の合格基準点が設けられています。各課目別の得点が合格基準である「60%」に達した課目は「課目合格」となり、その試験が行われた年の初めから3年以内に受験する場合、その課目の試験が免除になります。
合格している課目の試験免除期間中(3年間)は、合格課目について受験することはできません。

エネルギー管理士試験 合格率と難易度

次に、エネルギー管理士試験の難易度や合格率についてお伝えします。
エネルギー管理士は国家資格の中でも、ある程度難易度が高い上位の資格とされています。そのため、合格率は毎年低く、容易には合格できない資格と言えるでしょう。
例年の合格率は30%前後となっており、専門知識をしっかりと蓄えた上で、試験に臨む必要があります。

エネルギー管理士試験(熱分野)出題内容

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エネルギー管理士試験には「熱分野」と「電気分野」の2分野があり、ご自身が選択した分野で4課目全てに合格する必要があります。前述した通り、課目合格制度はありますが、試験範囲は多岐にわたっています。
ここでは、熱分野の試験課目と内容について説明します。

必須基礎課目(熱分野・電気分野共通)

①エネルギー総合管理及び法規
 課目内容:エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律及び命令、エネルギー総合管理
 ※熱分野・電気分野ともに「エネルギーの総合管理及び法規」の課目は必須科目です。

選択専門課目 熱分野

②熱と流体の流れの基礎
   課目内容:熱力学の基礎、流体工学の基礎、電熱工学の基礎

③燃料と燃焼
 課目内容:燃料及び燃焼管理、燃焼計算

④熱利用設備及びその管理
 課目内容:計測及び制御、熱利用設備

※熱分野の試験は、建物の空調・給排水・照明など、熱エネルギーを中心にしたエネルギー管理に関する知識が問われます。

詳細内容の検索は (一財)省エネルギーセンターホームページをご参照ください。

エネルギー管理士試験(熱分野)勉強の進め方

学習時間の目安

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エネルギー管理士試験(熱分野)は熱に関する専門知識だけでなく、法令に関わる知識も問われる出題範囲の広い国家資格です。課目合格制度を最大3年活用できることからも、付け焼刃の知識で合格できる資格ではないと言えるでしょう。
受験生によって事前知識に差はあると思いますが、全くの未経験の状態から試験勉強を開始した場合、受験までに300~400時間は確保したいところです。課目合格制度を上手に利用して計画的に学習を進めていく必要があります。

必須基礎課目【エネルギー総合管理及び法規(熱・電気共通)】勉強の進め方

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ここからは各課目別に勉強の進め方を説明していきます。最初に説明するのは、熱分野、電気分野どちらを受験する際にも学習することとなる、必須基礎課目の「エネルギー総合管理及び法規」で課目Ⅰとなります。

「エネルギー総合管理及び法規(課目Ⅰ)」の問題は下記のような構成で出題されます。
問題① : エネルギーの使用の合理化等に関する法律及び法令(50点)
問題② : エネルギーの情勢、制作、エネルギー概論(50点)
問題③ : エネルギー管理技術の基礎(100点)

問題②はエネルギー情勢に関する時事的な問題も出題されることから、過去問からの類推が難しいです。対策としては、webや新聞等で昨今のエネルギー動向を頭に入れておく必要があります。また過去には試験実施団体が出版している「月刊省エネルギー」の内容から出題された問題もありますので、こちらを読んで内容を把握することも対策となるでしょう。

問題①と③は前述した問題②と比較すると、得点しやすい問題といえます。

問題①に関しては、問題形式が穴埋め問題となっており、法律・法令の前後の文章を記憶しておくことで解答しやすくなるでしょう。まれに計算問題の出題もありますが、過去問と類似した問題が出題されることが多く、過去問を多く解いておくことで、問題の傾向を暗記できれば本番の試験では得点源となる可能性が高いです。

問題③に関しては、例年、工場等判断基準に関連する事項を問う問題が繰り返し出題されています。工場等判断基準に関しては、試験実施団体の省エネルギーセンターの公式HPに掲載されていますので、読み込んでおく必要があるでしょう。

(一財)省エネルギーセンターホームページはこちら。

選択専門課目【熱分野】勉強の進め方

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次に、選択専門課目である「熱分野」の勉強の進め方です。
熱分野は前述したとおり、「熱と流体の流れの基礎(課目Ⅱ)」「燃料と燃焼(課目Ⅲ)」「熱利用設備及びその管理(課目Ⅳ)」の3課目に分かれています。最初に「熱と流体の流れの基礎」に関して勉強法を説明していきたいと思います。

  
熱と流体の流れの基礎 勉強の進め方

熱と流体の流れの基礎は熱分野の課目Ⅱにあたり、計算問題が多く難易度が比較的高いです。
暗記するにも式の形が複雑なものも多く、理論をしっかりと理解して勉強する必要がある課目と言えるでしょう。

「熱と流体の流れの基礎(課目Ⅱ)」の問題は下記のような3問構成で出題されます。
問題④.⑤ : 熱力学の基礎(100点)
問題⑥ : 流体工学の基礎(50点)
問題⑦ : 伝熱工学の基礎(50点)

試験時間は110分で、問題形式は「選択肢から正解を選ぶ」「計算で数値を回答する」という2つの形式に分かれます。選択制の問題も選択肢の数が多いので、勘で正解するのは難しく、やはり問題をしっかりと理解する必要があります。
難易度の高い試験と言われる所以は、この課目の専門性が高いためともいえるでしょう。
問題全般は工学系の大学で履修する学問分野からの出題となり、理解するためには高校レベルの物理学知識と数学知識が必要となります。

問題④.⑤の「熱力学の基礎」は熱と流体の流れの基礎の中で、ウェイトが高い分野です。
どの課目も6割以上取れば合格ですが、熱力学の基礎は全200点中100点と全体の半分の配点があるため、この分野を重点的に勉強し高得点を取ることができれば、合格に近づくことは確実です。
大問2問中の1問は「理想気体の状態変化やサイクル」に関わる内容が出題されることが多く、もう1問は「熱機関のサイクル」に関連する内容が出題されることが多いです。
「理想気体の状態変化やサイクル」に関しては、理想気体の状態方程式、定圧比熱・定容比熱、等容変化、等圧変化、等温変化、断熱変化など、「熱機関のサイクル」に関しては、カルノーサイクル、ガスサイクル、蒸気サイクル、冷凍サイクルなどの分野を参考書でじっくりと理解し、過去問を繰り返しとくことで合格点を取ることができるでしょう。

問題⑥の「流体工学の基礎」は熱力学の基礎と比べ計算問題も少なく、普段の業務で配管の流量計算や圧損計算を行っている方にとっては得点源となるでしょう。問題内容は、圧力損失、配管流れやポンプ、送風機、流量測定等、実際にプラントで必要とされる流体輸送に関する知識が問われますので、テキストを読んで理解する必要があります。

問題⑦の「伝熱工学の基礎」は伝導、対流、放射電熱のような現象について出題されます。
問題⑥の流体工学の基礎と同様に計算問題は比較的少なく、かつ難易度も高くはありません。
伝導伝熱、対流伝熱、放射伝熱、熱交換器について、全般的に知識を付けておけば、高得点をマークすることも可能な課目です。

燃料と燃焼 勉強の進め方

次に「燃料と燃焼」に関して勉強の進め方を説明します。
燃料と燃焼は、エネルギー管理士(熱分野)の課目Ⅲで暗記問題が2問、計算問題が1問例年出題されています。

問題⑧.⑨ : 燃料及び燃焼管理(30点×2)
問題⑩ : 燃焼計算(50点)

試験時間は80分で、問題形式は「選択肢から正解を選ぶ」「計算で数値を回答する」という2つの形式に分かれます。問題⑧.⑨の燃料及び燃焼管理はほぼ選択式で、問題⑩の燃焼計算は数値を回答する計算問題の形式が多いです。燃料及び燃焼管理を回答するのにそれほど時間はかからないと思いますので、燃焼計算に時間をかけて丁寧に計算しましょう。

問題⑧.⑨の「燃料及び燃焼管理」は課目Ⅲの中で、大問3問中2問出題されます。
暗記することで回答可能な問題なので、高得点が狙える分野です。
出題としては「気体燃料、液体燃料、固体燃料、燃焼基礎現象、燃焼装置、燃焼ガス分析法、燃焼による設備・環境への障害」等に関する問題が範囲となります。
特に頻出なのは重油に関する問題で、重油の種類に関する問題や重油の使い方、温度に関する問題が出題されています。
ひたすら暗記をしていく課目なので、暗記が得意な方は試験直前に集中的に復習をすることで高得点を取れるようにしておきましょう。

問題⑩の「燃焼計算」は課目Ⅲの中で、大問3問中1問出題されます。
大問がほぼ計算問題で構成されていますが、出題されるパターンがある程度決まっており、過去問と近い形式の問題が出題されやすいため、気体燃料や液体燃料を燃やす時の燃焼計算を抑えることで高得点も見込めるでしょう。
気体燃料の燃焼計算は最も基本的な問題で、気体燃料として主に使用されるメタンやエタン、プロパン等が燃焼する際に、どのくらいの空気量が必要か、また、出口の燃焼ガス量などが問われます。合わせて液体燃料の燃焼計算も頻繁に出題されるので、過去問を十分に解いて確実に得点できるように準備をしておく必要があります。
固体燃料の燃焼計算に関しては、気体燃料、液体燃料と比べると出題頻度は少ないですが、燃焼計算に関する考え方は変わりませんので、出題された時にあわてないよう、過去問で慣れておくに越したことはないでしょう。

熱利用設備及びその管理

次に熱利用設備及びその管理に関して勉強の進め方を説明します。
熱利用設備及びその管理はエネルギー管理士(熱分野)の課目Ⅳで、問題構成は、必須問題を4問、選択問題を2問選択して計6問に回答する形式です。選択問題は分野によって内容が全く異なってくるので、早めに回答する問題を決めて勉強を進めていきましょう。

 

必須問題⑪,⑫ : 計測及び制御(50点×2)
必須問題⑬,⑭ :  ボイラ、蒸気輸送・貯蔵装置、蒸気原動機・内燃機関
ガスタービン(50点×2)

選択問題2題選択(80点)
問題⑮ : 熱交換器・熱回収装置(40点)
問題⑯ : 冷凍・空調調和設備(40点)
問題⑰ : 工業炉、熱設備材料(40点)
問題⑱ : 蒸留・蒸発・濃縮装置、乾燥装置、乾留・ガス化装置(40点)

  

課目Ⅱの次に難易度が高いとされるのが課目Ⅳですが、課目Ⅱと異なる点としては、計算問題は比較的少なめで、暗記で得点できる問題が多い傾向です。試験時間は110分です。

必須問題⑪,⑫は計測機器や計測手法について1問、制御手法について1問出題され、これらの知識は、実際に熱利用設備にかかわる際にも必要となってきます。
計測機器や計測手法の問題では主に、温度計、流量計、流速計、圧力計の出題が多く、その中でも熱電温度計と差圧式流量計は出題が多い傾向にあります。
制御手法の問題では主に、フィードバック制御、フィードフォワード制御、PID制御、追値制御などの出題が多いです。その中でもPID制御はよく出題されるのでしっかりと理解しておく必要があります。

必須問題⑬,⑭はボイラや内燃機関、タービンに関する問題です。各機器について出題され、出題頻度が高いのは、ボイラの特徴、ボイラの性能計算、内燃機関の特徴、ガスタービンの性能に関して問われるケースが多いです。
上記の中でも、ボイラの性能計算ではボイラ効率や燃料消費量を計算する問題がほぼ毎年出題されていますので、計算問題に慣れておきましょう。
この問題では、燃焼率の向上、環境対策といったエネルギー管理士としての業務を行っていく上で必要となる知識に関する問題が出題されるので、今からしっかりと勉強しましょう。

選択問題⑮~⑱の選択問題に関しては「熱交換器・熱回収装置」「冷凍・空気調和設備」「工業炉、熱設備材料」「蒸留・蒸発・濃縮装置、乾燥装置、乾留・ガス化装置」の4問題から2問題を選択し解答することになりますが、配点は80点と高いわけではなく、選択問題であるため、難易度が高いということはありません。
受験する際の2つの問題をなるべく早く選択して学習を進めることが大切です。設備管理の仕事に従事しているのならば、ご自身の業務と関連性のある問題を選択し、勉強を進めていくのがよいかと思います。

エネルギー管理士試験(熱分野)勉強法まとめ

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ここまで、エネルギー管理士の熱分野の試験科目や勉強方法等をお伝えしてきました。
エネルギー管理士試験は難易度の高い試験ですが、エネルギー管理士の熱分野の問題には暗記や問題の傾向を理解しておくことで解答可能な問題も多く出題されています。
ですので、得点源を落とさず、差がついてしまう課目2の勉強に時間をかけるのが得策でしょう。そうはいってもエネルギー管理士は課目合格制を採用しているので、他の課目がダメでも来年度チャレンジできます。この試験は非常に根気強さが必要な資格でしょう。

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最近の出題傾向を盛り込み、要点をわかりやすく説明しているJTEXオリジナルテキストを使用した 「エネルギー管理士受験講座(熱分野)」と「エネルギー管理士受験講座(電気分野)」からご自身の得意分野に合わせて選択いただきます。テキストは熱分野6冊、電気分野5冊の構成で、どちらもA4サイズのため、学習して気づいた点などを余白に書き込む等、勉強が進めやすいように工夫されています。